実録!
曹操の呂布退治


裏切りの代償

 

他の武将達に目を向けてみよう。ゾウ覇・宗憲・魏続らは全て曹操の配下となり、厚遇された。
 張遼はご存知の通り、曹操配下となり活躍する。そのやり取りは
「国賊を濮陽で殺せず、惜しいことをした」
 と曹操に暴言を吐く張遼。曹操が怒って斬ろうとするところ、関羽は止めて
「彼こそ忠義な人物」
 と言った。曹操は自分の着物を脱いで与えた。こうして、張遼は曹操の配下となったとある。高順は一言の弁明もなく潔く首を切られたとある。

 歴史に残されたのはやはり陳宮。呂布と共に連れて来られた陳宮は曹操になぜ敗れたのか問うと呂布を指差してこう言った
「この男が私の言う通りにしなかったからこうなっただけだ。言う通りにしていれば、捕らえられたりしなかったのに」
 と答えた。以下正史通り
曹「こうなったからにはどう始末をつければよかろう?」
陳「臣として不忠、子として不幸の罪を犯したのですから、殺されて当然です」
曹「君はそうだとしても年老いた君の母親や妻子はどうなる?」
陳「孝によって天下を治める者は、人の親を殺しません。仁によって天下を治める者は人の家を絶やさないもの。母や妻子の命はあなた次第でしょう」
 ここまで言うと陳宮は曹操の返事を待たずに
「さぁ早く表で処刑して下さい。軍法を明らかにしていただこう」
 と言って、急ぎ足で止める間もなく出て行った。曹操は涙ながらに見送り、陳宮は振り返ろうともしなかったという。陳宮の死後、彼の一家は以前にもまして、手厚い待遇を受けた。


※注意:張遼と曹操のやり取りはどの文献から見つけたのか分からなくなりました。正確な情報か演義の一部なのか不明な事をここに注記しておきます。


実録!曹操の呂布退治

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